2014年 07月 10日
熊谷守一の絵本 |
今、むすこのむっちゃんに見せている絵本。お気に入りが数冊あるが、こどものとも0・1・2のシリーズの中のものが多い。
なぜ、持っているか? というと、数年前に、1年間、福音館書店が毎月出す、月間絵本のこどものともの絵本に挟む、折り込み広告の中に、原稿を連載したことがあり、その時1年間分の絵本を、もらったからである。(だから、その年の本しかない)
その時は、実は、ろくに見もしなかったのである。また、見ても、あまり、感動しなかったのかもしれない。
今日、「はじまるよ」という絵本を手に取って、ページをめくりはじめ、びっくり。熊谷守一の絵ではないか。私は美術にぜんぜん深くないが、日本に帰ると、日曜日9時からのNHK教育(と今は言わない?)の、新日曜美術館が好きなのだ。先日も、たまたま熊谷守一のことを取り上げていて、池袋の自宅の小さな森のような庭で、1日中、虫や鳥たちを観察していたという熊谷守一という人の生き方、そして、その絵に、深く感動したのであった。「あぁ、絵が見たいなぁ」…そして、つい先日も、思い出していたところだったのだ。
むっちゃんに絵本を見せて読みながら…なんといっても、まだ8カ月なので、わかるわけじゃないのだ。でも、単純化された中に命のあふれた絵…そして、それにくわえられたリズムのある言葉とともに、きっと、これからのお気に入りに絵本になることだろう。というより、私自身が、とても嬉しかった。この手元に、熊谷守一の絵本を持っているとは!
今のお気に入りは、「ごろんごろんころん」と、「こねこがにゃあ」。もう、これはお話を覚えていている。ごろんごろんころん…というのは、くま、いのしし、うさぎ・・・が次々と、あくびしては、ごろんとおねんね、あぁいいきもち…というストーリーなのだが、寝る時に、絵本を見せずにお話しても、ニコッとして、ずっとお話を聞いている。きっと、その動物たちが気持ちよさそうにごろんと横になる情景が、頭にインプットされているのだか? そこまでかどうかはわからないが、絵本の言葉に子どもに届くものがあるのだろう。この8カ月の子にして…ちょっとびっくりする。
こねこがにゃぁ…は、お母さん猫が呼ぶと、5匹の子猫たちが、次々と、かごの中や、タオルの下から「にゃあ」と顔を出すものだが、子猫が顔を出すたびに、声を出して反応していたのだが、最近は、ページをめくる前に、子猫が出てくるのを予想できるようになったのか、もう喜んでいる。ブルーナのうさこちゃんもそうだそうだが、子猫がほぼ正面からまっすぐ子どもを見ているという視線もいいのかもしれない・・・子どもはすごいなぁ、と思うと同時に、この子どもの単純な感性に、響く絵本を作るのは、またすごいなぁ…と思うわけだ。実は、私も、子どもの本ではないが、現在、福音館書店で本を執筆中の最後で、編集者の方に、しぼられているだけに、子どもに響く言葉にそぎおとされた、シンプルでリズムのある言葉が、どの絵本にしてもすごいなぁ…と思うわけだ。文章を書いた方は、編集者にしぼられたのだろうか? それとも、それまでもなく、そういう素敵な感性を持ちあわせていらしたのだろうか? などと、たまにしか私の「文筆業」という肩書は、発揮されないのだが、職業柄? そんなことも感じたりするわけなのだ。
日本語でも、ラオス語でも、そんな、子どもの心に響く言葉で語れたらいいなぁ…と思いつつ…むっちゃんと一緒に、もう一度、絵本を体験して、成長していきたいものだ。
by pochiboxerkuro
| 2014-07-10 20:06
| 絵本